断る勇気!
私も船長の端くれですので、この事故については、一般の方とは違う目線で見てしまいます。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6424841
生存者がいないということで、会社の体質、船長の判断ミス、いろいろと批判的なことが言われています。そこらへん、徹底的に明らかにすべきでしょう。
ただ、もし私がこの船長だったら?
恐らく、私も出港したでしょう。
そこらへんは一般の方々へは何を言っても理解していただけないと思います。
船体にひびが入っていただの、天候が崩れることが分っていただの、何も知らない人たちの話しばかりで、こればっかりは船長になって『誰かを乗せて』みないと分かりません。まぁ、テレビの報道も、やりばのない怒りを、会社や船長に向けさせようとしていますが。
私の行動範囲は、東京湾か相模湾です。
慣れた海でも、怖いです。
海の上では緊張しまくりです。
…って、航行中の話ですが。
そして、出港の判断は極めて難しいです。
これって、ギリギリなんです(笑)!
けど、何週間も前からわくわく感たっぷりに期待されて、当日は朝早く集まってくれて、一応、事前に断っていても、ちょっとやそっとで出港をあきらめられるような心理にはなれないんです。
この時は、いい加減、ヤバいと感じて、1日のクルーズを半日で切り上げて帰港した。給油所の兄ちゃんから「見事なご判断です!」って言ってもらえたのが救いだったけど、それでも残念なクルーズだった、って、波が高くてみんな船酔いしちゃったし(笑)。
こんなこと言うと、『だからダメなんだ!』とか『人が死んでるんだ!』なんて、何も知らない人たちは、無責任なことを言って憂さ晴らししたがるけど、そうじゃないんだよね。確か大雪山で遭難事故があった時も、山の案内人はかなりヤバいって分かってたけど、無理して出発した。
民主的なことは政治的なことにして、何も知らない人間が口出しちゃいけないところは専門家に従うべきでしょ。専門家(ここでは船長)は、何も知らない人たちの思いに引っ張られちゃダメでしょ!
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