餅は餅屋に

 この痛ましい事故に関し、様々な報道がなされています。

https://mainichi.jp/articles/20220430/k00/00m/040/061000c


それに対し、テレビのコメンテーターや著名人、ネットでは一般人たち、また、私の周囲の人たちから、いろいろな意見や感想が出ています。

それらを聞いていて気がつくことがあります。それは、なんだかんだ言っても「海や船のことを知らない人間が口にしている言葉だ」ということです。

例えば、海のことを知らない人間なら、水深120mと聞いても「さっさと潜って助けろ!」なんて言い出します。

また、船を知らない人間も同じことを言い出します。自衛艦の揺れを見ただけで船を操船する者からすればその荒れ具合が分かります。こんな海域でやれと言われても、専門家だとかプロだとかいう前に無謀というものです。いや、専門家だとかプロだからこそ、やらない、これでやるのは何も知らない一般人だってことでしょう。

ぶっちゃけ、うさぎの心を持った私からすれば、こんな水深に潜ろうとも思わないですし、風速8mを超えたら出港なんぞしません。

そう。

専門的な事柄に対し、何も知らない人間が無責任な言葉を並べている、それが世論というもので、普通の人たちは、この事故を起こした会社の社長と同類というわけです。


これはこの事件に限ったことではありません。普段の日常生活にもいくらでもその例は転がっています。

私が所属している日本語教育機関(法務省告示校)という業界もそうです。

経営者が日本語教育について何も知らない、にも関わらず、教える内容が日本語だというだけで、大したことない、自分にも教えられると勘違いして、無理難題、常軌を逸したことを口走り(普通の人たちには常識に思えるようなこと)、専門家だとかプロだとかいう人間からすれば、狂っているとしか思えないような方針を打ち出し、自分の勘違いが達成できないのをその専門家だとかプロだとかいう人たちのせいにする教育機関が多数存在します。

この遊覧船会社の社長と何ら変わらない神経の持ち主たちです。

専門家だとかプロだとかの話を無視すれば失敗するに決まっています。死人が出ないぶんマシだ、と言いたいところですが、名古屋入管のスリランカ女性死亡の事件は、入管以前に日本語教育機関の責任です。明らかに経費支弁できない外国人を偽造書類を使って日本に入国させた法務省告示校の責任でしょう。


この知床の事件は、死人が出て過ちに気がついたところで全てお終い。

専門家がいる専門的な話に、何も知らない人間が口を出すのを良しとする感覚は、いい加減やめるべきというものでしょう。






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